済州島(1)とチ・チャンウク

行ったことがある場所がドラマに出てくると、それだけでも親しみが湧いてくる。

「サムダルリへようこそ」は、主演が、面白いこと間違いなしのチ・チャンウクとシン・ヘソンだということに加え、昨年訪れた済州島が舞台ということもあり、観るべくして観たドラマだった。

済州島で約1週間お世話になった韓国人の友人の両親の家の近くに、ロケ地としてよく使われる、海の中にいくつもの風車が建っている場所がある。今回のドラマでも頻繁に出てきたので、毎回懐かしい気持ちになったし、チ・チャンウクやシン・ヘソンがそこを通るシーンでは、思わずでテレビ画面を写真に撮ってしまうほどだった。私が行ったとき、ちょうど海にゴミを捨てないでという活動をしている方たちがいて、交流できたことも思い出のひとつになっている。

今回のドラマで、チ・チャンウクは、気象予報士という役だった。よく考えると、彼には、イケメン俳優にありがちな、御曹司やイケメンツンデレ上司という役が思い当たらない。平凡というと弊害があるかもしれないが、一般市民として日常を懸命に生きる役が多い気がする。

昨今はイケメンという言葉を簡単に使いすぎている気もするが、敢えて言うくらい、彼はかなりのイケメンであると思う。一般的に、イケメン俳優というだけで、注目度が高く、視聴者の期待値や求められるハードルが高い。また、見た目のイメージが強いと、本人の存在を払拭できない場合は、ドラマの役柄として素直に入ってこないことがある。

その点、チ・チャンウクには、演技に、視聴者を納得させる、イケメンという概念を超えた説得力がある。今回のドラマでも、人間味溢れる演技で、ドラマの世界に引き込んでくれた。あの、少し憂いを含んだような表情と、包み込むような温かい笑顔には、気が付かないうちに、人を魅了する力がある。