イ・ドンウクに落ちた理由

誰かに落ちた時の症状は、相手が恋愛対象でも、俳優やアイドルでも、同じではないだろうか。どちらも、昨日まで、いや、ともすれば、ついさっきまで何とも思っていなかった人が、急に気になりだして、その人のことばかり考えてしまうようになる。

今は最推しの存在となったイ・ドンウクも、始めから推していたわけではない。

最初に知ったきっかけはトッケビというドラマで、死神役として登場し、「人間離れした雰囲気をもつ人だな」「死神役にピッタリだな」と思った覚えはあるけど、それ以上ではなかった。

その後、韓国語に興味を持ち始め、ルームメイト2というバラエティ番組を観たときに、落ちてしまった。その沼に。堂々としていながら偉そうというわけではなく、親切なのに媚びているわけでもなく、常に自然体で、かつ、さりげない気遣いが垣間見えて、こんな人になりたいと思ったのがファンになったきっかけだった。

画面のこちら側にいる身としては、究極、良い演技を見せてもらえば、演じ手が本当はどんな人かどうかは、ベールに包まれたままでも構わない。それでも、良い人だったら嬉しいし、言うことはない。もちろん、ルームメイト2も、リアリティ番組とは言いながら、テレビに映る仕事だから、もしかしたら全て演技の可能性もあるけれど、それでも、落ちてしまったものはしょうがない。

それから、イ・ドンウクが出ているドラマや映画などを探して見るようになった。好きになる前と後では、作品を観るときの熱量も変わるから不思議だ。「真心が届く」では、イ・ユンナとのケミも最高で、既婚の身ではリアルで味わうことのないドキドキやトキメキをたくさん感じさせてくれたドラマだった。

そして、PRODUCE X 101で、国民プロデューサー代表として出演したときに、さらにファンになってしまった。まず、年齢不詳なビジュアルから溢れ出る大人の魅力に、これまで以上に心を奪われた。服装、歩き方、表情管理、姿勢、態度、どれをとっても、自然体なのに完璧で、文句のつけようがない。加えて、発言する際も、相手を傷つけないよう、言葉や言い方に配慮しながら、言うべきことや思ったことは、はっきりと伝える姿勢を見て、ああ、ステキだな、やっぱりこの人のようになりたいと、改めて思った。

韓国の俳優さんは、どの俳優さんも演技力や意識が高く、ドラマを観るたび推しが増えて忙しいけれど、1番好きな俳優さんはと聞かれたら、躊躇なくイ・ドンウクと即答する自信がある。まだ1話しか観ていなくて、全容が掴めない状況だけれど、ディズニーチャンネルで配信中の「殺し屋たちの店」で、どんな新しい一面を観せてくれるのか、楽しみにしているところだ。